お知らせ
2012年6月19日
乳房検診のすすめ
『自分の乳房は自分で守る』
5200人という数字、これは15年前の1990年のわが国における乳がん死亡者数で、10万人当たり8.5人の死亡率です。これが2004年には10500人、死亡率16.3人になり、この15年間で死亡数、死亡率ともに倍増しています。
増加の要因として遺伝やホルモン、閉経後の肥満が挙げられます。また、わが国では40歳代が好発年齢であり年齢階層別死亡率からも、30歳から59歳までの比較的若い世代で乳癌が全癌種の第1位となっています。働き盛りでかつ子供の教育時期の女性を蝕み、家庭を暗いものにし、やがて命を奪っていく若年者乳癌に接する毎に、私は心が痛み何とか出来ないものかと何時も考えてきました。
最近の40歳代の患者数の増加は、日本人女性のライフスタイルの変化、すなわち未婚、未産や高齢出産などと関連すると指摘されており、今後も増加が予想されています。このように乳がんは日本社会を脅かす勢いで増えています。女性がかかるがんのトップとなっている現状からも、「私は乳がんにならない」では済まされません。欧米などに比べ日本女性の乳がんに対する危機感は低いだけに、今後は成人式など若い女性が集まる場所で乳がんの話をすることが必要ではないかと思います。
厚生労働省の「がん検診に関する検討会」は、40歳以上の女性にマンモグラフィー(乳房X線撮影)による検診を導入するように報告書で提言しています。しかし、医療体制が追い付いていない現状では、自分の乳房は自分で守っていかなければなりません。
30歳を過ぎたら是非毎年1回は乳房健診を受けましょう。そして40歳になったら2年に一度はマンモグラフィーの検査を受けてください。もし、あなたが乳房に何か異常を感じたら、検診を受けるのではなく外科の乳腺外来を受診しましょう。検診はしこりなどの自覚症状のない人が受けるものです。
検診で異常のなかった人も、月1回は自己検診を行い自分でも「異常なし」と言われた時の乳房と変わっていないかどうかチェックを続けてみて下さい。
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